2007/01/21 11:51
『会話文の可能性』
「ぼふぅっ!」
「ちょ、ちょっと麻美!何吹いてんのよ!」
「あーごめんごめん。みほっちのギャグがあまりにも」
「待ってよ。私ギャグなんて言ってないし」
「いや、言ったじゃん。あたしが吹く前に」
「そうなの?書いてないからわからなかった」
「そうね。あたしたちは文章中以外は計り知れないものね」
「なんで急にそんな口調に」
「昔からそうじゃない」
「そうだったっけ?いやあ、計り知れない」
「つまりどんな小説も、計り知れない部分があるわけ」
「そ、そういうもんかな」
「ええ。もしかしたら、を考えればキリがない」
「考えなくていいよ」
「うちの近くになんつッ亭本店があるんだけどさ」
「急に何?」
「行ったことはないよ」
「だから、どうでもいいって」
「何言ってんのよ。みほっちが最初に話し始めたじゃない」
「え?そうだっけ」
「行間にね。おいしいらーめん屋ない?て」
「ちょっと計り知れなすぎかな。こうなっちゃ」
「そうね。でもね」
「こ、この空白は」
「見てわかるでしょ。場面転換や、時間変化をさすアレよ」
「いや、今別に転換もしてないし」
「みほっち、もうわかってるでしょ。周りをよく見て」
「こ、ここは!渋沢駅!」
「そう。行間に何があっても文句は言えないの」
「だからって何で渋沢駅に」
「なんつッ亭に行くために決まってるでしょ」
「並んでるでしょ。しかもさっきまでマックに居たんだから」
「もう満腹?」
「そりゃそうだよ」
「あたしたちがマックに居たなんて記述はないわよ?」
「あ、そういえば」
「わかったわね、じゃあ、富豪の麻美がおごりましょ」
「‥‥計り知れないな」